あなたが開発したiPhoneアプリを誰かに使ってもらうには、Apple社が運営しているAppStoreにそのアプリを公開しなければならない。
Monacaのサイト上に記載されている説明を見ながら、手順を踏んで手続きを進めていけば、経験のない素人でも、うまく公開まで辿り着くことができるだろう。
さてしかしここで、アプリの公開に関する大きな問題に気付くはずだろう。
それは個人で公開する場合の名義の問題だ。
株式会社や合同会社といった法人格を持っている場合はD‑U‑N‑S®番号を使えば、個人名ではなく、法人名を公開させることができる。
仮にD‑U‑N‑S®番号を持っていない法人の場合でも、新規取得申請をすることで、番号が割り当てられるシステムになっている。
しかししかし、個人、個人事業主、個人経営者、個人商店、といった法人格を持っていない場合は、開発者個人の本名がフルネームで表示されてしまう仕様になっているのだ。
匿名、ニックネーム、ハンドルネームといった、本名以外の名前は一切使うことができない。
まぁしかしそんな中、救いなのは、本名がフルネームで表示されるものの、アルファベット表記だということだ。
漢字で表示されなければ、日本全国のどこにでもあるような、ありふれた名前の人であれば、さほど気にならない事案だ。
例えばこんな名前の人、
- SATO HAJIME
- ITO AKIRA
- SUZUKI TAKASHI
漢字ではなくアルファベット表記なので、このような名前の人なら、個人を特定されることはないだろう。
その逆に、珍しい名前の場合は、あなたであることを特定される可能性が高くなるのだ。
何か悪いことをしているわけではないので、個人が特定されても良いのではないか?
と思うかもしれないが、実際にやってみるとそうでもないことがわかる。
やはり嫌だ。
アルファベット表記だとしても、自分の名前がフルネームで、しかも全世界に公開されることに、抵抗を感じる人は多いものだ。
公開したアプリが毎月100万円もの収入をもたらしてくれるのなら、悩むこともないのだろうが、そう現実は甘くないのだ。
たかが数千円程度の収入しか得られないのだとすれば、どう見ても割に合わない。と悩んでしまうだろう。
なぜアルファベット表記なのか?
ここで、思い出して欲しいのが、AppleDeveloperProgramへの登録だ。この時、年会費の支払いをしているはずだ。たしか1万なにがし円という金額だったと思う。
ちなみに、この料金は、毎年Appleから請求され、アプリを公開している限り支払い続ける必要がある金額だ。
そしてしかも、その支払い方法はクレジットカードオンリーだったはず。
銀行振込や電子通貨は使えない。
この時点でクレジットカードを持っていない人は、AppleDeveloperProgramへの登録さえできず、弾かれてしまうはずだ。
あわててクレジットカードを作った人もいるかもしれない。
ここで入力した、クレジットカードのローマ字名義が、晒されることになるのだ。
クレジットカードの支払いをする段階では、誰もこのことには気付いていない。筆者も同様だ。公開してからわかった。
有料アプリはもちろんのこと、無料アプリを公開する場合であっても、本名がデカデカとアルファベットで表示されてしまう。
つまり、Google PlayストアでのAndroidアプリのような、匿名での公開は不可能ということになる。
このことを覚悟の上であれば、iPhoneアプリの公開は特に問題がないだろう。